医療保険の格差

 公的年金以上に加入者の間で大きな負担の格差が生じているのが公的医療保険ということはご存知でしょうか?

 公的医療保険もまた、公的年金と同じ、いやそれ以上に優先して一元化すべき課題かも知れません。

日本の公的医療保険制度の変遷

 日本の公的医療保険制度は、大正11年の健康保険法の制定に端を発しています。

 当初、その適用対象は、従業員10人以上の工場、事業所の常用労働者に限定され、保険者は政府と健康保険組合の二本立てとされました。

 300人以上の労働者を使用する事業主は、健康保険組合を設立して自主的に運用することとされ、それ以外の事業所に勤務する労働者は、政府管掌健康保険組合に加入することとされました。

 組合健保、政管健保の適用対象となる労働者の範囲は、その後数次の改正を経て、順次拡大されていきました。

国民皆保険制度の確立

 他方、農業者、自営業者等については、昭和13年に旧国民健康保険法が制定され、公的医療保険の適用対象に追加されましたが、当初は市町村に組合設立の義務がなく、また原則として任意加入でした。

 その後、昭和23年に国保組合に代わって市町村公営の原則が確立され、全ての市町村に対して実施を義務づける新国民健康保険法が制定されたのは、昭和33年のことでした。

 この時をもって、わが国においても、全ての国民が加入する国民皆保険制度が確立したと言えます。

外国の医療保険制度

 国民皆保険制度が確立している主要国の中では、イギリスは大部分が国の一般財源でカバーされる国民保健サービス(NHS)が、全国民に対し無料で保健医療サービスを提供していますが、ドイツやフランスでは、わが国同様、様々な医療保険制度が分立しています。

公的医療保険制度の趣旨・目的

 公的医療保険は、国民が不慮の事故や災害で負傷したり疾病に罹った場合、その費用が負担できないためにみすみす命を落としたり、身体が不具合にならないようにすることを目的として、予め保険に加入し、いざという時に備えるものであり、また、所得や資力が少ない人でも他の人と同様の医療が受けられるようにするため、相互扶助の精神に基づき、負担能力に応じて保険料を負担するものです。

 公的医療保険は、組合健保、政管健保、国保等に分立していますが、その給付内容や給付水準は、全ての医療保険を通じて同じであり、また、加入している保険によって受診できる医療機関が異なるということもありません。

保険料は加入している医療保険の種類によって大きく異なる

 しかし、加入者が負担する保険料は、加入している医療保険の種類によって大きく異なります。

 同じ所得で比較した場合、組合健保の加入者の負担が最も小さく、国保の加入者の負担が最も高くなっています。

 例えば、年収300万円の人の場合、組合健保の保険料は平均で年間9.9万円、政管健保は12.3万円であるのに対し、国保は4人世帯の場合25万円と、その額は組合健保の2~3倍にもなります。

同じ所得水準なのに医療保険の違いで保険料負担格差が生じるのはなぜか

 同じ所得水準であるにもかかわらず、なぜ加入している医療保険の違いによってこれほど保険料負担に大きな格差が生じているのか?

 それを説明する合理的な根拠は、どこにも見出せないように思います。

お金が無ければ医療を受けられないような国にして良いのか

 それは、わが国の公的医療保険が組合健保、政管健保から始まり、順次分立した制度として対象者の範囲を拡大して来たという、歴史的経緯によるものであり、制度が複雑化することにより理解が困難になってきて一部の人しか分からないところから来ているしか考えられません。

 お金が無ければ医療を受けられないような国にして良いのでしょうか?

公的医療保険制度の平等性の確保のための是正が必要なのだ

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