自分自身の行動するための軸足
「行動の大切さを分かっているけど、行動ができない」と言う人は世の中に多いと思います。
いろいろな原因が考えられると思いますが、特に重要な2つのポイントがあります。
そしてバランス感覚とほど良い塩梅探しは重要です。
行動の動機を強く持つ
1つ目は、行動の動機です。
- 「何のために、その行動をするのか?」
- 「その行動の結果何が得られるのか?」
が明確になっていないケースがあります。
また、その行動の結果得られるものを、本気で手に入れようと思っていないケースも多いです。
これを解決するには、まず自分の価値観と人生のビジョンを明確にし、その価値観やビジョンから見た行動の意味を自覚することです。
そして、「行動しなかった場合の将来」と「行動した場合の将来」を、それぞれ明確にビジュアライズしてみるのが効果的です。
コーチングにおいても、クライアントの価値観やビジョンを明確にし、それに向けての本気のコミットメントを促すことは、とても重要なステップになります。
あとは本人の決断ですね。
行動の小さな第一歩を具体的に進められるか
2つ目のポイントは、行動の第一歩です。
価値観やビジョンもある程度明確になっていて、本気で手に入れたいと思っていても、「まず何から始めたらいいか?」が明確になっていないと、行動できません。
どんなに大きなビジョンや目標も、今すぐできる小さな行動の積み重ねで達成されます。
行動の第一歩が具体的になっているかどうかが大切なのです。
- 「まず何から始めますか?」
- 「今日できることは何ですか?」
- 「今週は何に取り組みますか?」
- 「今月のテーマは何ですか」
と、行動のステップを明確にすることは、とても重要です。
とある兄弟とロバの中国寓話に学ぶ
中国の寓話を一つ紹介します。
少し年の離れた兄弟が、二人で、一頭のロバを引いて歩いていました。
すると通りがかりの人から次のように言われました。
「君たち、せっかくロバの背が空いているのにどっちも乗らないのかね? 馬鹿だねー。」
そこで兄の方がロバに乗り、弟が引くことにしました。しばらく行くと、通りがかりの人が兄の方に、こう言いました。
「君は年下の者に対する思いやりがないのか。恥ずかしくないのかね。」
兄はあわててロバから降り、弟を乗せてロバを引くことにしました。
またしばらく行くと、通りがかりの人が、弟の方にこう言いました。
「なんという礼儀知らずだ。年上の者にロバを引かせて、自分がロバに乗るだなんて。」
そこで、兄弟は二人してロバに乗ることにしたのです。
しばらく行くと通行人たちが、兄弟を見ながら言いました。
「あれではロバがかわいそうだ。動物虐待じゃないか。」
そこで兄弟はあわててロバから降り、二人でロバをかついで歩き始めました。
しばらく歩くと、兄弟はヘトヘトに疲れ、橋を歩くときに足を滑らせ、ロバとともに川に転落してしまいました。
この兄弟には、「自分達はどうしたいのか?」という軸がなかったのです。
年上の者に対して礼儀を守ることを主とするのか、年下の者を思いやることを主とするのか、ロバをフル活用することを主とするのか、ロバをかわいがることを主とするのか。
自分の軸を定めていれば周りに振り回されなかった
自分達の軸(目的、方針)を定めていれば、周りの人の批判に振り回されなかったはずです。
周りの人はそれぞれ違った軸を持っていて、それぞれ好き勝手なことを思い、様々なことを言います。
そして、あなたがそのとおり行動したとしても、その結果については責任を取ってくれません。
行動できない原因の一つは、他人の軸で考えてしまうことです。
「こんな行動をしたら、周りの人はどう思うだろうか?」
他人の軸に従い続けた結果、川へ転落することにもなりかねません。
そして、誰も責任を取ってくれません。
そこで被害者を演じても、望む結果は得られないのです。
自分は何を望み、何を欲しているのか
あなたが望む結果は何でしょうか?
そのために必要な行動は何ですか?
自分の人生の結果は、自分の責任で創っていくしかありません。
だからこそ、他人の軸に左右されず、しっかりと自分軸を持って行動を始めることが大切ですね。
何事も時と場合により、バランス感覚と良い塩梅探し
上記の話を、「他人の忠告に耳を傾けるな」というような極端な意味では捉えないで下さい。
私達は常々、謙虚になって、他人の忠告や批判に耳を傾ける必要があることがあります。
特に、何かに執着して自分の視野が狭まっているときや、傲慢になって大切なものを忘れてしまっている時などに、他人からの忠告や批判によって、目が覚めることもあります。
一方、冷静になって、自分の本当の価値観を明確にし、自分の目標を明確にし、その上で、自分が望む人生を実現するために行動を起こす時は、自分軸をしっかり持って行動することが大切です。
何事も時と場合によりけりですし、バランス感覚と良い塩梅探しです。
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