大学の国際ランキング
『東大16位 アジア勢トップ』(読売新聞 06.09.13朝刊より)
米誌ニューズウィークは先月、「世界の大学100校」を選定した。
毎年この時期には米誌USニューズ・アンド・ワールド・リポートも「全米ベストカレッジ」を掲載し話題となる。
こうしたランキングはどんな基準で選ばれ、どんな影響力を持つのだろう。
先月13日に発表されたニューズウィークのランキング(表)では、上位10校がすべて米英の大学で占められた。
東大の16位がアジア勢のトップで健闘と評価
日本からは5校がランク入り。東大の16位がアジア勢のトップだった。
英ロンドン大、米コーネル大などの名門校が東大より下位なのを考えれば、健闘と評価していい。
このランキングで東大の一つ上、15位とされた米プリンストン大は、同18日に発表されたUSニューズ誌のベストカレッジでは、過去3年間、同率首位で並んでいたハーバード大を引き離し、単独トップとなった。
大学評価の差は何だったのか
両評価の差は何か。
まずニューズウィークの評価は、これまで同様の大学ランキングを選んできた英ザ・タイムズ紙と中国・上海交通大学の評価に、独自の分析を加えたもの。
結果は三者三様だが、いずれも大学の「研究力」を格付けする点では共通している。
上海交通大の場合、ノーベル賞とフィールズ賞の受賞者数、英ネイチャー誌と、米サイエンス誌の掲載論文数、米文献情報会社「トムソンサイエンティック社」がリストする有力研究者の数から算定している。
ザ・タイムズもほぼ同様だが、単純な受賞数や論文数の点数化ではなく、研究施設の人数に占める割合で.比較している点などが異なる。
ニューズウィークは、両者の項目の1部に、図書館の規模という独自の要素を上乗せして順位を決めた。
一方のベストカレッジは、対象が米大学に限られているうえ、入学生の成績、卒業率、財務状況などをもとに決められており、研究評価というよりも、受験生にとっての「大学選び」の目安として役立っている。
優秀な学生集めに奔走する大学側にとっては、こちらのランキングの方が気になるかも知れない。
数年前、USニューズの元編集担当者が「データには問題がある」と告白し、信頼性に疑問も出ているが、各大学とも毎年この順位変動に一喜一憂するほど影響力は大きく、連邦政府の予算配分の結果と序列がほぼ一致していたという報告もあるほどだ。
「最も有力な調査で、より上位になるよう戦略を考えることが重要だ」(カリフォルニア大サンフランシスコ校)との声も出ている。
日本の大学もランク入りに満足せず、評価のからくりをよく知って正当な評価が得られるよう努力することが求められている。
主なる大学ランキングの順位
以下はランキングの順位である。
- 1.ハーバード大(米)
- 2.スタンフォード大(米)
- 3.エール大(米)
- 4.カリフォルニア工科大(米)
- 5.カリフォルニア大バークレー校(米)
- 6.ケンブリッジ大(英)
- 7.マサチューセッツ工科大(米)
- 8.オックスフォード大(英)
- 9.カリフォルニア大サンフランシスコ校(米)
- 10.コロンビア大(米)
- 16.東京大学
- 29.京都大学
- 57.大阪大学
- 68.東北大学
- 94.名古屋大学
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